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螺旋の旋律 ~SPIRAL~

螺旋の旋律 ~SPIRAL~

~Case:3~

再会


不意に玄関のベルが鳴った。
「あ、ちょっと待ってて」そう言って眞那は玄関に向かい、扉を開けた。

そこには一人の女の子と、その後ろにもう一人、背の高い少年が立っていた。
そして、
「たっだいま~アル♪」そう言って女の子が眞那に抱きついた。
眞那は少しびっくりしながらも、
「おかえり!花依!」さも当たり前のように返す。
「帰る途中で理王に会ったから、連れてきたアル!」花依がそう言うと、扉の後ろから、理王が姿を現した。
「こんにちは、高町さん。」理王はそう言って会釈をした。
「うん、いらっしゃい!理王くん!」そう言って眞那が二人を招き入れたとき、花依が、
「あれ?その子は?」そう言いながらリディアの方を見た。
「えっと、この子は・・・」眞那がリディアを紹介しようとした。
その時、不意に、
「―!?リ・・・リディア様・・・!」そう言って理王は絶句した。
「あれ?リディアと知り合いなの?」眞那が訊くと、理王は、
「このお方は、我が『セイクリッド』の姫様です。こちらに来る際にはぐれてしまったのですが・・・見つける事ができてよかった・・・」
『お、お姫様!?』眞那と花依は同時に聞き返した。



理王の話によると、リディアは『セイクリッド』の姫であり、事情があってこちらの世界に来た。

その事情というのはこうだった。

 1週間前、『セイクリッド』と『レーヴァテイン』の間で戦争が起こった。
 そのため、命を狙われる危険があるリディアは、王の命令を受けた『紫野』という魔導師によってこの『ガーデン』に転送された。
 そして、理王も本当は「シグルド・シャーウッド」という名で、王命を受け、リディア姫を守るために自分も転送魔法を使って『ガーデン』に来た。
 しかし、理王の「自分を転送する魔法」とリディアを転送させた『紫野』の「他人を転送する魔法」とでは魔法の術式の構成が違うため、転送にかかる時間と到着する地点の座標位置がずれてしまい、はぐれてしまった。
ということだった。


「それで、向こうの状況はどうなっているの?」眞那が理王に訊くと、
「通信によると、この1週間でかなりややこしい事になっているようです。」
理王は深刻そうに言った。それから、向こうの世界『グロリアラント』の情勢について語り始めた。





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